FACOM231

本学で初めて導入されたコンピューターが 富士通・FACOM231 です。(1966.4~1975.8)

システム構成図

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主記憶容量 32Kch(1ch = 6bit)
磁気テープ装置 4台
印刷装置 ラインプリンター 1台

装置・部品・媒体

FACOM231(写真提供:富士通)
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 左の写真は中央処理装置(CPU)で、この筐体内にメモリーを格納しています。
 当時は科学技術計算が主な利用で、プログラム言語には ALGOL(アルゴル:ALGOrithmic Language)が使用されました。
 FACOM231にはハード的に十進演算の機能がありました。

磁気テープ
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 FACOM231のメモリーが少ないため、磁気テープがコンパイル(翻訳)、リンク(結合)及び実行時の作業領域として使用されました。 現在のパソコンではあっという間に終わる計算でも、当時は何日間も要しました。処理中は磁気テープが忙しく動作しました。
 使用された磁気テープ(Magnetic Tape)はコンピュータ用で、オーディオ用とは互換性がありません。
磁気コア
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 当時は強磁性体を使用したコア(CORE)メモリーが使用されました。 コンピューターの電源を切断しても切断前の内容が保存されるため、電源を再投入して処理を途中から再開することができました。
 左はFACOM231で実際に使われたコアメモリーです。 黒いビーズ状のものがコアで直径が3mmにも満たないものです(拡大写真参照)。 縦横の太いワイヤーは書き込み用で斜めの細いワイヤーは読み取り用です。
 その後コアメモリーからICメモリーの時代に移行しますが、暫くは「コア」という言葉が使われました。
紙テープ
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 紙テープがFACOM231の主な入力媒体でした。
 電動タイプライターと鑽孔機(さんこうき)が一体になったオフラインの紙テープ鑽孔機で紙テープに穴を開け、それをFACOM231のテープリーダーで読みとらせました。
 FACOM231で使用した紙テープでは6つの穴(スプロケット孔を除く)の組合せで文字や記号(半角の英数字、記号のみ)を表しました。 慣れると目で文字を読むことができるので、テープを切ったり貼ったりし、携帯型の鑽孔機(私達は「1万円」と呼んでいました。)を使って簡単な修正も行ないました。
ラインプリンターの活字輪
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 FACOM231で使用したラインプリンターの活字輪です。横一列に同じ文字・記号(英小文字、英大文字、数字、記号)が刻まれています。半周すると同じ文字・記号が現れます。
 活字輪が半回転する間に1行分を印刷して紙送りしました。(ほぼ)同時に1行を印刷することからラインプリンターと呼ばれます。 使用した印刷用紙は、縦15インチ×横17インチの連続紙でした。